まど・みちおさんの創作力(絵と詩) まど・みちお×小野忠男4


    小野忠男     まど・みちおさん
小野 あぁだから、先生の絵は図形的なんですね。
尾上 それとね、絵っていうのとまた違うかもしれないですけど、でも先生は緻密なところがおありだから、先生はきちっと考えておやりになっているんですよね。それと、イメージ、面白くて絵を描いていると、夜更かしして明け方になっちゃうなんて仰ってましたから、どんどんイメージがひらめくんだと思いますね。
まど あのーそれは、絵を描く人なら誰でもそうだと思いますね。僕だったら寝るのを忘れるだろうと思います。時間が足りないくらいにね。でも本当に楽しいですよ。いくらでも新発見が出できますからね。
小野 ただ描いてるだけじゃなくて先生そこに新しい…
まど 自分でも気づかない新発見が次から次へと出てくるんですね、これも誰でもそうなんでしょうけどね、自分で初めにやったような設計でやったら面白くない、初めの自分の考えをなぞるだけだったらつまらない、それを人が見て、「ああそうですか」っちゅうものになっちゃうんですよ、「あれ?」なんて思うものはできないわけですよ。
小野 はぁ、逆に最初から思って描いてるわけじゃなくて、描きながら…
まど そのほうが多いですね、それも本当に素晴らしい人が素晴らしいアイデアを持って、それをもっと正確にしていくっちゅういき方の人がいないとは言えないとはわかりませんけど、私にはそんなことはできませんね、いい加減にやって、だんだん近づいていくということで。
小野 先生じゃあ詩なんかもそういうことがあるんですか?
まど 詩もそうですよ、詩も書いているうちに新発見していくんです。書いているうちにどんどん変わることが多いです。
小野 先生、「ぞうさん」なんかも、「ぞうさん」「ぞうさん」って最初から完璧にできたんでしょうか?
まど 「ぞうさん」については、いやっちゅうほど聞かれていますね、おそらく一番初めに書いたときはね、要するに誰でも普通の人は、「ぞうさん」っていったら「お鼻が長い」、それだけですよ。
小野 ええ、「お鼻が長い」ってだけで
まど そうそう、別にそこに何か意味がある、ということではもちろんなかった。それを後から色んなことを聞かれるもんだから、もっともらしい理由をつけるだけでね、だんだんそれが洗練されていくんでね。

対談映像「まど・みちおさんの創作力。まど・みちおさんは詩や絵をどのようにつくられたのですか?」
映像制作者:五十野惇
NHKにて「おかあさんといっしょ」「なかよしリズム」海外取材番組「童話の国々」などの元ディレクター、元東京家政学院大学教授。