まど・みちおさんの健康法と発想法 まど・みちお×小野忠男対談5



     小野忠男              まど・みちおさん
小野 先生、算数とか理科とか得意でしたか?
まど いやー、僕、全然ダメでしたな、僕、高校までしか出てないので。理科とか数学とか、幾何なんかはね、考えると分かるものは面白かったですね。代数みたいな、記憶しないとならんようなものはダメでした。
小野 そうすると先生は子どもの時から、個性的な?
まど 個性的っていうか、人と変わっているところはあったでしょうね。変わってるっていっても、人が十人いれば十人全部変わっているから、全部同じっちゅうのは珍しいですよね。
小野 なるほど。小学校の頃、先生から褒められたり、叱られたりっていうのはどうでした?
まど あんまり、やんちゃな方ではなかったですしね。おとなしかったけど。とにかく目立たなかったですね。
小野 先生は引っ込み思案で、子どもの頃は目立たない人だったんですって。
尾上 目立つことはないですから。
小野 先生は言葉に対するこだわりはありますか?
まど 言葉にはそれはこだわりますね。自分のね、例えば言いたいことを言うっちゅうのはちょっと違うんだけど、書くときはね、正確に自分の言いたいこと、書きたいこともね。でも自分の想いの中にあった出来上がる世界にね。
小野 そのときは、先生、自分に没頭して夜眠れないとか、夜閃いたりとか言葉が出てくるんですか?
まど お風呂に入っているとふっと閃いてね、お風呂から上がるともう忘れちゃうんですよ。夜お風呂に入ってるとね、色んな、暇ですからね、お風呂に入っているのが一番楽しいですからね、お母さんの胎内に入ったみたいで。お風呂の中で、どこにもあんまり触らないで。体を全部漬け込んで。あとは全部ポカーンとして、こうやってるとね。これがもう一番好きですね。
小野 ああ、お風呂に入って。赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるみたいな。
まど あとはインフルエンザなんか風邪なんか流行ってるでしょ? それはね空気が乾燥するのが一番良くない。お風呂の中には湿気がいっぱいあって、空気が湿気を含んでるでしょ、おまけに温かいでしょ。そこで深呼吸するわけですよ。
小野 湯船の中から、出た後ですか?
まど いやいや出ないで。上向いてこううとうと寝とってね。深呼吸するわけですよ。手を挙げて息を吸って吐いて。それを10回くらいするんですよ。これが私の健康法。これがね、お風呂に入ってる時がすごくいいと思ってるんですよ。自分で勝手にそう思ってるんですけどね、呼吸器にとっていいことがあると思っていて、わかりませんけどね。その時、しっかりこう吐かないと、余計に吸えないですからね。思いっきり吐いて、思いっきり吸って。
小野 その時に閃く、みたいな。
まど それは先生、何もしないでじっとしている時ですよ。
小野 今日はすごくいい話を聞かせていただきました。ありがとうございました。