当時、現総理大臣の安倍晋三さんの、お父様の安倍晋太郎さんが外務大臣をなさっていた折、何かのお祝いの会があって、渋谷にあった安倍晋太郎さんのご自宅に、友人で医師の杉山正憲先生、奥様の仁子さんとお伺いしたことがありました。
(1983年4月29日撮影)
安倍晋太郎さんの義理のお父様であった岸信介元総理大臣もいらしていてお話しする機会がありました。
岸信介さんは、盛んに「あの時解散しておけば良かった」と悔いておられました。本当に総理大臣の時に解散しておけば良かったと思うことがあったのだなぁ、としみじみと思いました。
安倍晋太郎さんのご自宅には、お祝いという事で、お庭にお寿司屋さんが小さなお店を出していて、岸信介さんが近くの人に「まぐろの握りをもらって来てください」というと、そばでお寿司を握っていた職人さんにも、その声が聞こえたようで、「岸さんにこちらへきて食べてほしい。握ってすぐその場で食べるのと、そちらへ運んで食べるのでは味が違うので。」と言いました。岸さんは「では」といって歩いてそちらへ向かわれました。
そんなこともあって、私はお寿司というと、出来るだけカウンターで食べるようにしております。
当時86歳だった岸さんは「長生きだけは、真似してくださいね」と優しく仰って下さったのを、よく覚えております。