まど・みちおさん、詩について語る

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  まど・みちおさん(当時90歳)    小野忠男(当時55歳)
                        2000年6月5日撮影
    
まど・みちおさんは、詩について、対談中に、こんなことも話されていました。
「なるべく人が使わない言葉を使いたいですね。新しい擬音で、しかも、しっくりいくものが良い。人によって感じ方が違うから、普通とは違ったものを使いたいなぁ、と思いますよ。昔、ある学校の先生の集まりで、先生から私の詩について「こんなのダメだ」と言われたことがありました。「今まで使われたことがない、違和感を覚えてダメだから」という理由だったんです。しかし、私は今まで使われた言葉以外にどんな表現があるのかをいつも考えているんです。誰も考えたことのないものを表現したいですね。それを感じ取ってくれる人がいたら嬉しいなぁ、と思いますよ。例えば、「黄色」を題材にした詩があって、「なのはな」や「レモン」の黄色の他に、「ひばりのおしゃべり」を加えた。つまり3つのうち 2つはみんなの知っているものを入れて、私の感じた新しいものを1つ加えている。「黄」という題で、私と同じように感じてくれると嬉しいです。


と なづけられた
きひんある そのいろは
たとえば
天からの ひばりのおしゃべりに
みわたす なのはなに
てのひらの レモンに
ほこりたかく いきづいている (以下略)

 もちろん10人中10人で感じ方が違う。カッコウの鳴き声も「カッコー」だけでは飽きてしまう。物足りない。人間は同じことをすると飽きるんです。どんなに好きなものでも、10日、1ヶ月も食べ続けると嫌になってしまう。五感に対する刺激もいつも同じだと嫌になってしまう。飽きるという感覚を他の動物も持っている。飽きるという感覚を持たせてもらっているということは、意味のある素晴らしいことでしょうね。」