以前、愛読者カードにて「図書館にあった『わがままな大男』の絵本の中でも、にっけんの絵本が最もよかった」とのご感想をいただきました。
そこで、今回は、にっけんから出版している絵本『わがままな大男』について取り上げたいと思います。
以前に、『幸福な王子』をブログで取り上げましたが、今回も同じオスカー・ワイルドによる作品です。

わがままな大男

わがままな大男

このお話では、子どもがいなくなったことで、「春」が訪れなくなってしまった大男の屋敷の庭を中心としてストーリーが展開していきます。
ワイルドは、ここで「庭」を人間の心の象徴とすることで、自己中心的な欲や純真無垢な心などを小鳥や子どもを用いて巧みに表現しています。
また、「小さな男の子」としてキリストを登場させることで、「神の愛」や「魂の救済」についても説いています。
この絵本は、幼児向けに作られたものですが、小学生や大人の皆さんが読んでも、それぞれに感じるものがあるのではと思います。
この絵本を通して、ワイルドが語ろうとしていたことを少しでも広く伝えられれば幸いです。