「いぬのおまわりさん」(佐藤義美 作詩 大中恩 作曲)の誕生秘話。小野忠男、五十野惇、片山有美子、小野節子、喜多唯千香、喜多皓美、喜多美琴、坂田明奈、本間藍子、上妻紘人。2021年2月改訂。 - YouTube
子どもたちに夢と喜びと愛の心をはぐくみたいという願いから、私どもでは『親子で楽しむ童謡集』を編纂、出版いたしております。
親子で楽しむ童謡集第3集は、「サッちゃん」「いぬのおまわりさん」「おなかのへるうた」などで知られる作曲家、大中恩さんの特集です。
この度、大中恩さんとの対談を記録した映像が見つかりました。
NHK番組「おかあさんといっしょ」「なかよしリズム」等の元ディレクター、元東京家政学院大学教授で友人の、五十野惇先生に監修を、アーティストの片山有美子さんに映像の編集、制作をお願いいたしました。
大中恩さんは生前、「歌は、生きる力を呼び起こす魔法の種のようなもの。聞いてくださる方々が、明るい気持ちになるように、音楽でやさしい心を伝えたい」とおっしゃっておりました。
活字だけでは表しきれない、大中恩さんの明るく楽しい、ユーモア溢れるトークを、皆様にお伝えできればと願っております。
大中恩さん 小野忠男
△大中恩さんの直筆楽譜「いぬのおまわりさん」 は 『親子で楽しむ童謡集 第3集』(にっけん教育出版社)123ページにございます。ぜひご参照ください。▽
以下『親子で楽しむ童謡集 第3集』(にっけん教育出版社)より引用
福田:「いぬのおまわりさん」は1960年(昭和35年)、大中先生が36歳の時の作品ですね。
小野:この歌は詩を読んですぐに作曲されたんですか?
大中:いえいえ、幼児雑誌『チャイルドブック』(チャイルド社)の編集の方から作曲を依頼され、送られてきた詩を見たときに、詩が長すぎるので、これは“こどものうた”には向かないな、と思ったんです。
福田:まあ、そうだったんですか。
大中:電話がかかってきて「やってみませんか?」って言われたけれど「いやあ、あんな長いのは子どもには無理だよ」って言おうとしたら、その時、狭いわが家の仕事部屋のしきりの向こう側に女房がいたんですけど、「たいした稼ぎもないのに断るの?」っていうような、そんな気配を感じちゃってね(笑)。
小澤:あはは、なるほど(笑)。
大中:「あれはダメだね」って喉まで出かかっていたのに、「あれ、やってみようか」って言っちゃったんです。いやあ、でもやっておいてよかった。何が幸いするかわからないもので「いぬのおまわりさん」は、いまや僕の作品の稼ぎ頭になっているんですから(笑)。
小野:奥さんあっての歌なんですね。しきりの向こうの気配がそうさせたっていうのは。
大中:だって、そこに子どもを寝かしたりもしていましたからね。女房がそこにいて「ゴホン」なんて咳払いでもしたんじゃないの(笑)。
一同:(笑)
大中:恥ずかしい話ですが僕の場合、精魂込めて書いた作品で愛唱されているものなんて、ほとんどないですよ。こどものうたでも、合唱でも、歌曲でも、頼まれて仕方なく作曲したものが意外と皆さんに歌われていることの方が多いんですね。
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