4月22日に中野サンプラザにて講演会を行いました。
今回は、福沢諭吉の『福翁百話』より、
家庭の在り方について、お話させていただきました。
福沢諭吉は、第71話「文明の家庭は親友の集合なり」において、
子を養育する上で慈厳緩急をつけるのはもとより当然のことであるが、たとえ厳であると言っても他人らしく厳重に構えて子供を叱る必要はない。父母の言行さえ正直清浄であってその身に一点の醜いけがれもなければ、家庭はまるで親友の集合のようなものであって、そこで万年の春を楽しむことができるだろう。
と述べています。
ここで、諭吉は家庭の理想を、「親友の集合」「万年の春」としています。
私はこれらの言葉は、教育における一つの「真理」であると思っています。
いくら厳しく子どもをしつけても、親本人が「正直」でなければ子どもには伝わりません。
反対に、子どもが行った「悪いこと」を厳しく叱ったとしても、その言葉が「愛」によるものであれば、必ず子どもにも伝わるはずです。
現代の日本は、家庭も世の中もギスギスし、「万年の冬」のように思います。
しかし家庭だけは、親にとっても子どもにとっても、
諭吉の言うような「万年の春」であってほしいと願っています。