まど・みちおさん、詩について語る


  まど・みちおさん(当時90歳)    小野忠男(当時55歳)
                        2000年6月5日撮影
    
まど・みちおさんは、詩について、対談中に、こんなことも話されていました。
「なるべく人が使わない言葉を使いたいですね。新しい擬音で、しかも、しっくりいくものが良い。人によって感じ方が違うから、普通とは違ったものを使いたいなぁ、と思いますよ。昔、ある学校の先生の集まりで、先生から私の詩について「こんなのダメだ」と言われたことがありました。「今まで使われたことがない、違和感を覚えてダメだから」という理由だったんです。しかし、私は今まで使われた言葉以外にどんな表現があるのかをいつも考えているんです。誰も考えたことのないものを表現したいですね。それを感じ取ってくれる人がいたら嬉しいなぁ、と思いますよ。例えば、「黄色」を題材にした詩があって、「なのはな」や「レモン」の黄色の他に、「ひばりのおしゃべり」を加えた。つまり3つのうち 2つはみんなの知っているものを入れて、私の感じた新しいものを1つ加えている。「黄」という題で、私と同じように感じてくれると嬉しいです。


と なづけられた
きひんある そのいろは
たとえば
天からの ひばりのおしゃべりに
みわたす なのはなに
てのひらの レモンに
ほこりたかく いきづいている (以下略)

 もちろん10人中10人で感じ方が違う。カッコウの鳴き声も「カッコー」だけでは飽きてしまう。物足りない。人間は同じことをすると飽きるんです。どんなに好きなものでも、10日、1ヶ月も食べ続けると嫌になってしまう。五感に対する刺激もいつも同じだと嫌になってしまう。飽きるという感覚を他の動物も持っている。飽きるという感覚を持たせてもらっているということは、意味のある素晴らしいことでしょうね。」

まど・みちおさん「ぞうさん」はじめは、團伊玖磨ではなく、酒田富治が作曲。まど・みちお×小野忠男 映像制作:五十野惇(元NHKディレクター、元東京家政学院大学教授) - YouTube
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まど・みちおさん「ぞうさん」誕生の真実。まど・みちお×小野忠男 映像制作:五十野惇(元NHKディレクター、元東京家政学院大学教授) - YouTube
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まど・みちお さんの半生。山口県徳山市(現在の周南市)時代から台湾時代。まど・みちお×小野忠男 映像制作:五十野惇(元NHKディレクター、元東京家政学院大学教授) - YouTube
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まど・みちお さんの創作力。まど・みちお さんは絵や詩をどのようにつくられるのですか?まど・みちお×小野忠男 映像制作:五十野惇(元NHKディレクター、元東京家政学院大学教授) - YouTube
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まど・みちお さんの健康法と発想法。聞き手「詩人・にっけん教育出版社代表:小野忠男さん」まど・みちお×小野忠男 映像制作:五十野惇(元NHKディレクター、元東京家政学院大学教授) - YouTube
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「ふたあつ」(まど・みちお/作詩 山口保治/作曲)。小野忠男、五十野惇、片山有美子、星野梨沙、小野節子、永井雄大、岸田玖実子、喜多唯千香、喜多貴子、喜多皓美、喜多美琴、北川明奈、平井香穂、福田菊子 - YouTube
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まど・みちおさん直筆の色紙

横綱 稀勢の里の引退表明を聞いて

大相撲の横綱稀勢の里が現役引退を表明しました。
中学を卒業後、角界入りし、一心に稽古に励み、大関、19年ぶりの日本出身の横綱になり、怪我などもあり2年で土俵を去ることになりました。
ファンの一人として、心からお疲れさまでしたと、申し上げたいと思います。

    稀勢の里関        小野忠男
写真は、大関の頃に撮ったものですが、お会いして、必ず横綱になると確信。

子どもたちのファンも、全国にたくさんいたと思います。
これからは、荒磯親方として後進の指導にあたるとのこと、これからも角界のためにご活躍されますよう期待しております。

まど・みちおさんのお人柄について


   左 小野忠男(54歳)    右 まど・みちおさん(90歳)
                    2000年8月2日撮影

今日は、まど・みちおさんのお人柄が良くわかる対談が収録されたお話を紹介します。

まど 苦手な人はね、私が近づかないようにしてた。僕はね、なるべく人に会いたくない、1人の方が好きだった。引っ込み思案なんでね、怖気づいてしまうところがあってね。自分のものを勝手に書くだけだったから。
尾上 だからいい作品ができたんですね。
小野 社交ばっかりしている人だったら、逆にいい作品ができなかった可能性があったわけですね。
尾上 まど先生は60過ぎてからのご活躍が素晴らしい。お若いころの『昆虫列車』のような作品からずっとその道をコツコツやってらっしゃってたから、大成なさったんですね。
小野 社交とかにのっからずコツコツ地道に続けられてたんですね。
小野 先生は子どもの頃から恥ずかしがりやだったけど、今もそうなんですよね?
まど なかなか性格は、子どもの頃から変わるもんじゃないね。
小野 まど先生のお話はいつも面白い。先生は落語が好きなんですか?
まど 昔はよく聞いていましたね。
小野 先生の話にはオチがあっておもしろい。
尾上 それだけ生活が豊かでいらっしゃるんですよ。
小野 先生悩みなんてないですよね?
まど そんなことないですよ。作品仕上げる時とね、書き方でこれはダメだ、て思うとき、案外生きてくるんですよ。何事も、すぐにあきらめちゃだめってことですね。昔と今じゃ違う、昔は一度書いたら直せなかったけど、「今はああでもない、こうでもない」って迷えるからね。



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本間藍子:記録者

まど・みちおさん直筆の色紙

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
今年のお正月は、妻の節子と、徳川家康が若き日を過ごした浜松城を訪ね、久能山東照宮をお参りいたしました。
子どもたちやご父母、先生方、にっけん全体の成功と発展をお祈りいたしました。


三日は、毎年恒例の小野家の新年会を、四ッ谷のホテルニューオータニにあるお寿司屋さんの久兵衛で催しました。
大間のまぐろの握りも出て、家族みんなで笑顔でお寿司をいただき、新年をお祝いいたしました。


今年も皆様のご健康、ご多幸を祈念申し上げます。

「サッちゃん」「いぬのおまわりさん」の大中恩さん、逝去の報を受け


    大中恩さん       小野忠男 (ホテルオークラにて)


「サッちゃん」「いぬのおまわりさん」などで知られる作曲家の大中恩さんが94歳で亡くなる、との知らせを受け、驚きと悲しみに包まれております。今年の7月に、大中さんのコンサートのご招待券をいただき、家内の節子と二人で伺ったときは、お元気なご様子でした。
大中恩さんの美しい笑顔、楽しい会話のひとときが、思い出されます。


お父様の大中寅二さん、お母様の大中文子さん共に、敬虔なキリスト教の信者で、大中恩さんもキリスト教を深く信じていらっしゃったと思います。
神の御もとへ召された大中恩さんの、平安を心よりお祈り申し上げます。


  小澤潔(小沢潔)先生 北原聖子さん(大中清子さん) 小野忠男 大中恩さん 小野節子 福田菊子
   2007年7月24日 大中恩さん83歳の誕生祝い (ホテルオークラにて)


      松谷みよ子さん  大中恩さん  小澤潔(小沢潔)先生  小野忠男  岩崎京子さん
   2006年1月16日 第3回にっけん小野童謡文化賞 贈呈式 (帝国ホテルにて)


小澤潔(小沢潔)先生と書いた“福寿”の作品について

国務大臣で、無二の親友の小澤潔(小沢潔)先生とは、二人で書をたくさん書きました。
小澤(小沢)先生が“福”、私が“寿”を、色紙、お皿、夫婦茶碗にも書きました。


 夫婦茶碗  小澤潔(小沢潔)先生 “福”   小野忠男 “寿”

10年ほど、小澤潔(小沢潔)先生と一緒に陶芸を習いましたが、小澤(小沢)先生が“福”、私が裏に“寿”と書き、湯呑を千点近く作り、結婚式や、叙勲の祝いなどの席で贈呈し、現在は何点かしか、残っておりません。

『いないいないばあ』(童心社)、『ちいさいモモちゃん』(講談社)、『いっすんぼうし』(にっけん教育出版社)などで知られる、児童文学作家の、松谷みよ子さんから、「“福寿”の湯呑茶碗を、10個、購入したい。」とお便りをいただき、小澤(小沢)先生と喜び合ったのも、懐かしい思い出です。

   松谷みよ子さん   小野忠男   小澤潔(小沢潔)先生
2003年12月14日「にっけん30周年記念忘年会」熱海にて

“福寿”の湯呑でお茶をいただくと、小澤(小沢)先生と二人で字を書いたことが、まるで昨日のことのように思われて、お茶も“福寿”の味がして、幸せいっぱいの気分になるから、ありがたいです。

前田常作先生の書の魅力について


  小野忠男     前田常作先生     小澤潔(小沢潔)先生
写真は、仏画や観音マンダラなどで知られる、前田常作先生の作品展に、小澤潔(小沢潔)先生と見に行った時の写真です。
     
             「無」前田常作先生
前田常作先生に書いていただいた、「無」を額装にして、毎日の様に見ていますが、“無尽蔵”や、“無限”のようなエネルギーを感じて、いつも力強い気持ちになります。

「観世音」前田常作先生

「観世音菩薩」熊谷守一 神無書房 発行「書 熊谷守一」より

「正念場」 中川一政 真鶴町中川一政美術館 発行「中川一政美術館図録Ⅱ」より

前田常作先生の「観世音」の字、画家、熊谷守一の「観世音菩薩」、画家、中川一政の「正念場」の書も、それぞれに人を惹きつけてやまない絵と同じように、人生、哲学、宗教、個性の輝きに溢れ、強い魅力を感じます。

そんなことを考えていたときに、「僕は、筆で色紙を書いたことがないから。」と、マジックペンで書いてくださった、まど・みちおさんの「ぞうさん」の色紙をみて、何とも言えない、温かい気持ちになりました。


   小野忠男    まど・みちおさん 
2000年8月2日 対談時に撮影(当時90歳)