歌手である北原聖子(大中清子)さんに、大中恩先生との出会いから結婚までについてのお話を語っていただき、そのご縁のきっかけとなった「かなしくなったときは」(作詩:寺山修司 / 作曲:大中恩)を歌っていただきました。
にっけん教育出版社『親子で楽しむ童謡集 第3集』にも、大中恩先生の視点からみた聖子さんとの出会いについて紹介するページがございますが、このたびは聖子さんの視点から、当時の具体的ないきさつを含めて、お話しいただきました。
お二方の心温まる出会いについて、より詳しく知ることができ、改めて感激いたしました。
写真左から、元国務大臣 小澤潔(小沢潔)さん、北原聖子(大中清子)さん、小野忠男、大中恩さん、小野節子、小野菊子
福田:奥様の北原聖子さんは声楽家でいらっしゃいますよね。
小澤(小沢):奥様は大変お美しく、私も何度か聴かせていただいていますが、いつも奥様の歌声には感動を受けますよ。
福田:お二人の出会いは何かきっかけがおありだったんですか?
大中:はい、まあいろいろと、出会いのエピソードがありますが(笑)。
福田:ぜひ、そのお話も聞かせていただきたいと思います。
大中:北原は、音楽とはまったく関係ない大学の文学部にいたんですけれどね、それが「どうしても歌をやってみたい」と思いたったものですから、音楽をやり始めたのは割に遅かったんですよ。
小澤(小沢):ああ、そうだったんですか。
大中:それで、芸大に入って大学院に進んで、歌の勉強をしているころに、ちょうど僕の曲を歌ってみたいと思ったらしいんですね。 確か2000年9月のこと「音楽会のために歌いたい先生の歌があって、譜面が欲しいけれど、どうしたらいいでしょう?」と彼女から、電話がかかってきました。「それじゃ、今から東京駅へ行くからそこで渡すよ。汚い格好をしているけれども、探してね」と僕は言いました。 約束していた東京駅の改札口には、赤いカバンを持って、あたりをキョロキョロしている女性がいました。彼女は一生懸命、汚い格好の人を探していたらしいですよ。それなのに、「わりときれいな格好をしているじゃないです
か」とは言わないけれど、僕を見つけて、そんなような顔をしていましたよ(笑)。楽譜を渡して、僕がさっさと帰ろうとしてしばらく行ってから、ふと振り返ると、まだ彼女が見送ってくれていて、僕に丁寧にお辞
儀をしてくれたんです。胸がキュンとしましたね。これが、北原との出会いでした。
福田: まさに、運命の出会いですね。
小澤(小沢): 要するに一目惚れですね(笑)。
大中:最初に会った時に、僕は参っちゃったんですから(笑)。
『親子で楽しむ童謡集 第3集』より引用
また、お二方の素敵なご縁のきっかけになった歌曲集「ひとりぼっちがたまらなかったら」より、「かなしくなったときは」(作詩:寺山修司 / 作曲:大中恩)を、聖子さんご本人に歌っていただきました。伸びやかな美しい声で、心の奥まで沁み渡るようです。
大中恩 歌曲集「ひとりぼっちがたまらなかったら」
「かなしくなったときは」(作詩:寺山修司 / 作曲:大中恩)
かなしくなったときは 海を見にゆく
古本屋のかえりも 海を見にゆく
あなたが病気なら 海を見にゆく
こころ貧しい朝も 海を見にゆく
ああ 海よ 大きな肩とひろい胸よ
どんなつらい朝も どんなむごい夜も いつかは終る
人生はいつか終るが 海だけは終らないのだ
かなしくなったときは 海を見にゆく
一人ぼっちの夜も 海を見にゆく
以下のYouTubeのリンクから、みなさまどうぞご覧ください。
大中恩さん、北原聖子(大中清子)さん 出会いから結婚まで - YouTube
北原聖子さんの益々のご活躍を祈念しております。
2023年10月4日 小野忠男
2004年12月5日 赤坂プリンスホテルにて挙式
写真左から、小野隆士さん、小野忠男、小野菊子さん、大中恩さん、北原聖子(大中清子)さん
写真左から、小野忠男、大中恩さん、北原聖子(大中清子)さん、小野節子
歌曲聴き友と語りて天高し
— 小野忠男 (@nikkenonotadao) 2023年9月30日
(かきょくききともとかたりててんたかし 忠男)
〔季語:天高し(秋)〕
9月30日、大先輩で友人の五十野惇先生とお会いする。俳句や絵本の話し、北原聖子さんの歌曲「かなしくなったときは」(寺山修司作詩、大中恩作曲)を聴き感動、映像制作の話しなど、尽きない・・・ pic.twitter.com/jUgKVpBgyc